One More Time

 

1980年リリースのJon & Vangelisによる「Short Stories」より。
優しさに満ちた曲だが、実は4段階からなる魂の回復の詩。


Out in the woods we play our songs
森の中で、僕たちは歌を奏でる

And travel through the woodlands together
そして一緒に森を旅する

In the light of heaven and the silence of the world
天の光と、世界の静けさの中で

Keeping in touch with the sun
太陽とつながりを保ちながら

Keeping it for everyone
その光をみんなのために守っている

Latter day traits that come your way
君のもとに訪れる現代の性質は

Will gather in the light
やがて光の中に集まってくる

Everything about today just mellows
今日というすべてが穏やかに和らぐ

In the light, in your eyes
光の中で、君の瞳の中で

I think about the silent list
僕は静かな願いのリストについて思いを巡らす

Drown the summer trouble light
夏の悩ましい光を沈める

All the deeds and the candlelight
すべての行いと、ろうそくの灯り

But there is no explaining it
でも、それを説明する言葉はない

Let the weary come around
疲れた人たちが戻ってこられますように

One more time, one more time
もう一度だけ、もう一度

Let the weary come one more time around
疲れた人が、もう一度戻ってこられますように

Should’ve guessed the other day
あの日、気づいておくべきだった

That things were getting out of hand
物事が手に負えなくなっていたって

When you told me you’d gone and
君が「父のやり方は捨てた」と言ったとき

left your father’s ways behind
過去を置き去りにしたとき

When you thought that you couldn’t understand him
彼のことが理解できないと思ったとき

Well he didn’t really answer the dreams that you planned
君が描いた夢には、彼は本当に応えてくれなかった

So you chased around, all those times that come between
だから君は駆け回った、その狭間にあったすべての時を

You, yourself and yourself one more time
「君」と「君自身」との、もう一度の対話のために

One more time, one more time
もう一度だけ、もう一度だけ

Did you have to think about it, one more time
それについて考える必要があったの? もう一度

Put yourself under pressure, one more time
自分にプレッシャーをかけて、もう一度

Things are looking better now
今は状況も少しよくなってきたね

I heard you say the other day that you knew
こないだ君が「分かった」と言っていたのを聞いたよ

So many times I tried to understand
僕も何度も理解しようとした

We go through
僕らが通ってきたことを

Then again, it’s the morning light
それでも、朝の光がやってくる

It can catch my heart aflame
それは僕の心に火を灯す

Just the thought of your sweet face
君の優しい顔を思い浮かべるだけで

Over and over again
何度も、何度も

Over and over again, over and over again
繰り返し、繰り返し

Over and over and over and over, over again
何度でも、何度でも、もう一度


Q.
silent list(沈黙のリスト)とは?

A.
前に「in your eyes」とあり、
瞳の奥に静かにたたずむものと結びつき、
後に「candlelight(ろうそくの灯り)」「deeds(行い)」と
続くことで、内省的・精神的なイメージが強調されている。

そこから、こんな解釈ができる。
「心の奥に秘めた、声に出されない思いや願いごと」

Q.
left your father’s ways behind と、
なぜ父のやり方を捨てたと唐突に出てくる?

A.
①「疲れた人が戻ってくるように願う」→「でも、君は父を理解できなかった」
⇒癒されたい心の奥に、まだ解決されていない家族の痛みがある。

②「父」はしばしば「ルール」「制限」「社会的期待」「過去の自分」を象徴
⇒「父のやり方を置いてきた」は、
 古い価値観との決別、精神的な再出発を象徴

Q.
全体としては、どんな曲?

A.
<1>自然と一体になる導入部
 森で歌い、旅をする
 天の光と世界の静けさ
 ⇒自然はここで、内面の調和やスピリチュアルな目覚めの象徴

<2>思索と心の声
 ろうそくの光
 疲れた人々をもう一度迎える
 ⇒心の回復、自己との対話、または人生の迷いへの静かな応答

<3>父との葛藤とその背景
 「理解できなかった父」と
 「自分自身を見失いかけた自分」が対比
 ⇒自我形成の痛みや、親からの精神的独立を象徴

<4>再生と赦し
 朝の光が心を燃やす
 あなたの顔を思うだけで
 ⇒癒し・愛・再出発を象徴する希望のイメージ

 
・霧の中の森を歩いていると、静かに朝日が射し込んできて
・自分の人生の傷や家族の思い出が、木々の間に浮かび上がり
・心がそっと癒されていく
そんなスピリチュアルな散歩と魂の回復の詩

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