プログレファン、特にイエスファンであれば、
誰もがその独特の歌唱力で知るであろうジョン・アンダーソン。
ただ、そのジョンももう80才(2025年6月現在)だ。
ジョンおじさんでなく、ジョンおじいちゃん。
自分は今60代だが、もう中学生のころから、
イエスのリードボーカリストとして、
様々なアーティストとのコラボで、
そしてソロとしても、50年近く聞き続け、
かつ、癒され続けている。
※コラボはヴァンゲリス(Jon & Vangelis)が一番有名だが、
日本の喜多郎との共作もある。
独特の透き通るようなハイトーンの声が象徴的で、
天上的、非現実的な雰囲気を生み出す。
まるで男性の天使が歌ったらこんな感じかと思う。
声自体が楽器のごとく、曲に溶け込んでしまう。
(本人が言っているが、ファルセットではない。)
ジャンルはプログレッシブロックと言われるが、
ロックにクラシック、ジャズ、民族音楽、その他
様々な音楽の要素が融合し、
リズムやメロディも非常に多彩だ。
ロックでありながら、10分、20分を超える
ストーリー性のある映画音楽のような大作も多い。
そして、歌詞。
スピリチュアルで神秘的なテーマが多く、
宇宙、魂、愛、光、祈り、再生など
抽象的、形而上学的な内容の曲が多い。
時には、独特の造語で、意味不明なことも!?
トルストイの「戦争と平和」、
ヘルマン・ヘッセの「シッダールタ」、
パラマハンサ・ヨガナンダの「あるヨギの自伝」の脚注
といったものから生まれた曲もある。
現実をはるかに超えた意識の旅、
魂の進化、宇宙との一体感、
そんな世界観がすばらしい!
そんな難解な内容を歌にしたって面白い訳ない、
と思ってしまうが、それを割とシンプルな表現で、
不思議と「感じ」させてしまうのだ!
それも、なぜか癒しも合わせ持たせながら。
そんなジョンの曲から、
いろいろピックアップしながら、
曲の内容を解説し味わってみたい。