1977年リリースのアルバム「Going for the One」の中の1曲。
15分余りの大作で、アルバム名も曲名もまさに悟りの世界。
上の動画は2,013年にTodmobileと共演したライブ版。
オリジナルとは、またちょっと違う味わいがある。
[Verse 1]
High vibration go on
高次の波動よ、進み続けよ
To the sun
太陽のもとへ
Oh, let my heart dreaming
ああ、私の心を夢見させてくれ
Past a mortal as me
私のような死すべき者を超えて
Where can I be?
私はどこにいられるのだろう?
[Verse 2]
Wish the sun to stand still
太陽が止まってくれたらと願う
Reaching out to touch our all being
私たちすべての存在に触れようと手を伸ばす
Past all mortal as we
我々のような死すべきものの向こう側へ
Here we can be
ここに、私たちは存在できる
(He can be here)
(彼もここに存在できる)
(Be here now)
(いまここに在れ)
Here we can be
ここに、私たちは在れる
[Chorus]
Sun’s high, streams through
太陽が高く昇り、光が差し込む
Awaken gentle mass touch
やさしき集合のふれあいが目覚める
(Gentle mass touch)
(穏やかな集合のふれあい)
※繰り返し省略
Strong dreams reign here
力強い夢がここに君臨する
Touching, touching, touching
触れ合い、触れ合い、触れ合って
[Verse 3]
Workings of man
人間の営みが
Set to ply out historical life
歴史の生を織り出そうとしている
Re-regaining the flower of the fruit of his tree
彼の樹の果実の花を、再び取り戻すために
All awakening
すべてが目覚めていく
All restoring you
すべてがあなたを回復させる
[Verse 4]
Workings of man
人間の営みが
Crying out from the fire set aflame
燃え上がる炎の中から叫んでいる
By his blindness to see
彼の見えないまなざしによって
That the warmth of his being
彼の存在のぬくもりが
Is promised for his seeing
見えることへの約束であることを
His reaching so clearly
彼が明瞭に手を伸ばせるように
[Verse 5]
Workings of man
人間の営みが
Driven far from the path
本来の道から遠く離されて
Re-released in inhibitions
抑圧の中に再び解き放たれて
So that all is left for you
あなたのためにすべてが残されるように
All is left for you now
今、すべてはあなたのもとにある
[Verse 6]
Master of images
イメージの主よ
Songs cast a light on you
歌があなたに光を投げかける
Hark through dark ties
暗き絆を越えて耳を傾けよ
That tunnel us out of sane existence
理性ある存在から我々を抜け出させるトンネルへ
In challenge as direct
まっすぐな挑戦として
As eyes see young stars assemble
目が若き星々の集いを見るように
[Verse 7]
Master of light
光の主よ
All pure chance
すべては純粋な偶然
As exists cross divided
分断を越えて存在するもの
In all encircling mode
すべてを包み込むあり方の中に
Oh, closely guided plan
ああ、密かに導かれた計画
Awaken in our heart
我らの心のうちに目覚めよ
[Verse 8]
Master of soul
魂の主よ
Set to touch
触れようとしている
All impenetrable youth
すべての貫けぬ若さへ
Ask away
問いかけよ
That thought be contact
思考が接触であるように
With all that’s clear
明らかなるすべてとともに
Be honest with yourself
自分自身に正直であれ
There’s no doubt
疑いはない
No doubt
まったくない
[Verse 9]
Master of time
時の主よ
Setting sail
帆を上げて
Over all of our lands
我らすべての地を越えて行け
And as we look
そして、私たちが見つめるとき
Forever closer
永遠に近づいていく
Shall we now bid
今こそ告げよう
Farewell, farewell
さようなら、さようならと
[Bridge / Refrain]
High vibration go on
高き波動よ、進みゆけ
To the sun, oh let my heart dreaming
太陽へ、ああ、私の心を夢見させて
Past a mortal as me
死すべき存在である私を超えて
Where can I be
私はどこにいられるのか
Wish the sun to stand still
太陽が止まってくれるよう願い
Reaching out to touch our own being
自らの存在へと手を伸ばして触れよう
Past all mortal as we
我々すべての死すべき者を超えて
Here we can be
ここに、私たちは在れる
[Outro]
Like the time I ran away
あの時のように、私は逃げ出した
Turned around and you were standing close to me
振り返ると、あなたがすぐそばに立っていた
Like the time I ran away
あの時のように、私は逃げ出した
Turned around and you were standing close to me
振り返ると、あなたがすぐそばに立っていた
Jonはインタビューでたびたび次のように語っていたそうだ。
“I don’t write lyrics to explain something.
I write lyrics to open something inside of me and maybe the listener.”
(僕は何かを説明するために歌詞を書くんじゃない。内なる扉を開くために、
そしてそれが聴く人にもつながるように、書いているんだ。)
ん~、いやぁ、そうですかぁ(笑)
結果として、悟り・自己超越・霊的成長をテーマにした
組曲形式の作品となり、ジョンのスピリチュアルな世界観が
非常に色濃く反映されている。
Q.
“Wise men follow me” 賢者は自分についてくる、
なんて、このmeとは何者?
A.
単に「私」ではなく、拡大された自己、目覚めた意識としての〈私〉
を示していると考えられる。
Awaken gentle mass touching
やさしき群れが触れ合い、目覚めてゆく
Eternal summer shall not fade
永遠の夏は、色あせることがないだろう
Wise men follow me
賢者たちは私に従う
And so to pass / On to tell, love, forgive…
そして過ぎ去り、伝え、愛し、許し……
こうしたフレーズから考えると、次のような感じか。
●霊的自己 覚醒を経て高次の意識に到達した「本来の自分」。
●内なる光 愛・許し・真理を体現する、精神的リーダー/導き手としての自己。
●神性を帯びた存在 個人を超えた宇宙的存在の一部(ワンネス)、あるいは「内なる神」。
●教師的存在 他者に道を示す人、またはその役割に目覚めた者。
で、Wise men follow me” の意味合いは、
「賢者たちは、私(目覚めた魂)に従う」
Q.
Past a mortal as me(私のような死すべき者を超えて)
のmortalとは、何を象徴している?
A.
死を免れない存在、要は「人間」と同義らしい。
「肉体 vs 精神」「有限 vs 無限」のような対比から
awakenした人としていない人を対比して、
死ぬだけで悟っていない人間を指すようだ。
Q.
なぜ、Wish the sun to stand stillと太陽が止まることを願うのか?
A.
いくつかの解釈が考えられる。
①「永遠の瞬間」への願い
仏教における「刹那の中に永遠を見る」ような感覚で、
あるいは、キリスト教神秘主義における「神との合一の瞬間」に
時間が消える体験から
「悟りの瞬間にいる自分を保ちたい」という願望
②聖書の逸話との関連
旧約聖書「ヨシュア記 10章」
「ヨシュアが祈ると、太陽が止まり、イスラエル軍が敵に勝利するまで日が暮れなかった。」
「神の奇跡によって太陽が止まる」というエピソードに重ねて、
スピリチュアルな勝利や完成を願うイメージ
Q.
Like the time I ran away Turned around and you were standing close to me
において、自分は逃げ出したが、振り返ると君はそばに立っていた
とは、どういう状況?
A.
どんなに逃げても、君(愛、真実、神、自己)は常にそばにいた
気づいたとき、救いがそこにあった
自分の迷いや無知(ran away)を経て、真理に立ち返る(turned around)と、
最初からずっとそこにいた“本当の存在”に出会うという
悟りの描写のようだ。
Q.
どういう背景から、このような曲が生まれたのか?
A.
神秘主義・東洋思想・ニューエイジ哲学などを融合させている。
ジョンにとって宗教とは「形ではなく体験と気づき」。
●Awaken ~ 仏教の「悟り」、神智学の「魂の目覚め」
●High vibration ~ 神智学のエネルギー進化論
●Bless the baby born today ~ キリスト教の祝福と誕生
●Forgive, believe it ~ キリストの許しの教え
●To the sun ~ 神智学における魂の源=霊的太陽