And You And I (同志)

 

プログレの金字塔「危機 (Close To The Edge)」の1曲。
1972年リリースと、50年以上もたつとは。。。
中学生のときに初めて聞いたが、あのグリーンのジャケット、
レコード両面でたったの3曲というのは衝撃だった。


[Ⅰ Cord Of Life] 命の絆

A man conceived a moment’s answers to the dream
ある男が、夢に対する一瞬の答えを思いついた

Staying the flowers daily, sensing all the themes
日々花を育てながら、すべてのテーマを感じ取っていた

As a foundation left to create the spiral aim
残された基盤は、螺旋の目的を生み出すためのもの

A movement regained and regarded both the same
再び得られた動きは、同じものとして見なされた

All complete in the sight of seeds of life with you
すべてはあなたとともに「生命の種」の視点で完結する

 
Changed only for a sight the sound, the space agreed
変わったのは視覚だけ、音と空間は調和していた

Between the picture of time behind the face of need
「必要」という顔の奥にある、時間の絵の間で

Coming quickly to terms of all expression laid
すべての表現をすばやく理解しようとして

Emotion revealed as the ocean maid
感情は「海の乙女」としてあらわになる

All complete in the sight of seeds of life with you
すべてはあなたとともに「生命の種」の視点で完結する

 
Oh, coins and crosses never know their fruitless worth
ああ、コインや十字架は、自らの空しい価値を知らない

Cords are broken locked inside the mother earth
地球の奥深くに閉じ込められ、絆は断ち切られた

They won’t hide, they won’t tell you
それらは隠れず、何も語りかけてはこない

Watching the world, watching all of the world
ただ世界を見つめている、すべての世界を見つめている

Watching us go by
私たちが通り過ぎるのを見つめている

 
And you and I climb over the sea to the valley
そして君と僕は、海を越えて谷へと登ってゆく

And you and I reached out for reasons to call
そして君と僕は、呼びかける理由を探し求めた

 
[Ⅱ Eclipse] 日蝕
Coming quickly to terms of all expression laid
すべての表現にすばやく折り合いをつけようとして

Emotion revealed as the ocean maid
感情は「海の乙女」として現れる

As a movement regained and regarded both the same
再び得られた動きは、同じものとして見なされた

All complete in the side of seeds of life with you
すべてはあなたとともに「生命の種」の側にて完結する

 
[Ⅲ The Preacher, The Teacher] 説教者と教師
Sad preacher nailed upon the colored door of time
色とりどりの時の扉に釘づけにされた、悲しき説教師

Insane teacher be there reminded of the rhyme
狂った教師は、その韻を思い出すためにそこにいる

There’ll be no mutant enemy we shall certify
もはや変異した敵などいないことを、私たちは確認するだろう

Political ends, as sad remains, will die
政治的な結末は、悲しき残滓として死ぬ

Reach out as forward tastes begin to enter you
新たな味わいが君の中に入ってくるのに合わせて、手を差し伸べて

 
I listened hard but could not see
一生懸命耳を傾けたが、見ることはできなかった

Life tempo change out and inside me
人生のテンポが、内と外で変化していく

The preacher trained in all to lose his name
すべてを教え込まれた説教師は、自らの名を失う

The teacher travels, asking to be shown the same
教師は旅をしながら、同じものを見せてくれと求めている

In the end, we’ll agree, we’ll accept, we’ll immortalize
最終的に、私たちは同意し、受け入れ、不朽のものとするだろう

That the truth of the man maturing in his eyes
その人の目に成熟する「真実」というものを

All complete in the sight of seeds of life with you
すべてはあなたとともに「生命の種」の視点で完結する

 
Coming quickly to terms of all expression laid
すべての表現にすばやく折り合いをつけようとして

As a moment regained and regarded both the same
再び得られたその瞬間は、同じものとして見なされる

Emotion revealed as the ocean maid
感情は「海の乙女」として現れる

A clearer future, morning, evening, nights with you
より明確な未来、朝も、夕べも、夜も君とともに

 
[Ⅳ Apocalypse]啓示
And you and I climb, crossing the shapes of the morning
そして君と僕は登る、朝のかたちを越えて

And you and I reach over the sun for the river
そして君と僕は太陽を越えて川に手を伸ばす

And you and I climb, clearer, towards the movement
そして君と僕はより澄んだ心で、運動の方へと登っていく

And you and I called over valleys of endless seas
そして君と僕は呼びかける、果てしない海の谷を越えて


Q.
「You And I」の前に”And”が付く意味合いは?

A.
“And”で始まることで、この曲はすでに続いている何かの一部
であるような印象を与える。
宇宙的なストーリーや魂の旅の「ある場面」からリスナーを
引き込むような効果もあるかも知れない。
聖書など古典文学、例えば創世記の多くの節も”And”で始まる。

Q.
“picture of time”とはどういう意味?

A.
「時間の絵」とは、時間という抽象的なものを視覚的・象徴的に
捉えたイメージか。過去・現在・未来が一枚の絵のように同時に存在する
という感覚ともとれる。

前後の詩も合わせて詩的に意訳すると、
欠乏の奥に映る
時の幻影の狭間で
音と空間は見つめ合い、ひとつに重なる

Q.
第2章の章題「日蝕」と歌詞の関連は?

A.
・日蝕で外の太陽が隠れることで、内なる感情の光が現れる。
・日蝕=太陽と月が重なる=You君とI僕の重なり、一体化
 =光と闇、男性性と女性性、意識と無意識がぴたりと重なる瞬間
 =“あなたと私”の融合”

Q.
Preacher(説教者)とTeacher(教師)はここではどんな存在?

A.
Preacher(説教者)は、古い信念体系や宗教的権威の象徴でもあり
時間の流れの中で苦しんでいる魂の象徴。

Teacher(教師)は、教えるために学び続ける存在で、
進化や変容を模索する精神の象徴。

「説く者」と「教わりながら教える者」という2つの姿を描くことで、
この楽章は我々の自己変容のドラマを浮かび上がらせている。

Q.
第4章は、意味がよく分からないが?

A.
・朝のかたちを越えて
 朝=「目覚め」や「新たな始まり」の象徴
 より高次の気づきへと進んでいること

太陽を越えて川へ
 太陽=生命の源・意識の中心
 川=時間や魂の流れ、深層意識

・運動の方へ登っていく
 運動=スピリチュアルな進化のダイナミズム

・果てしない海の谷を越える
 果てしない海=無限の可能性、宇宙、集合意識
 谷を越える=個としての孤立を超え、全体と一体になる道
 分離を超えて、すべてと一つになる帰還の旅を暗示

Q.
曲全体のメッセージは?

A.
あなたと私の間にある深遠なつながりを通して、
宇宙的な目覚めへと至る魂の旅

愛とつながりは、時間や死を超えて続いていく。
人と人との関係は、魂の目覚めと進化を導く装置である。
人生の旅路は、葛藤と気づきを経て、やがて真実に至る黙示の旅である。

 
強いて言えば、ラブソングらしいが、難解だ・・・
ジョンならではの「宇宙的ラブレター」とでもいうか。

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